京都には、代々の天皇・皇后・公家などが、世継ぎや子孫繁栄を願って祈願し、
安産祈願とは別に、子授け・子宝が信仰されてきた神社・寺院が多くある
<梅宮大社>
右京区梅津フケノ川町
本殿の横に置かれている子宝の2つの丸い「またげ石」は、「血脈相続の石」といわれる
またぐと子宝に恵まれるといわれている子授けの霊石
皇子に恵まれなかった嵯峨天皇の檀林皇后が祈願され、後の仁明天皇を授かったといわれる
神域にあり、またげ石には、ご夫婦ご一緒に子授けの祈祷を受けると案内していただける
白砂は、安産のお守りとされている
3月第1日曜には、梅・産祭(うめうめまつり)が行われ、子宝・安産が祈願される
<岡崎神社>
左京区岡崎東天王町
手水舎にある子授け兎像に、水をかけてお腹をさすり祈願すると、子宝に恵まれるといわれる
背後の紫雲山や付近一帯が、野兎の生息地で、兎が氏神さまの使いといわれている
兎は多産であることから、子授けの神として信仰され、ご祈祷も受けられる
<敷地神社・わら天神>
北区衣笠天神森町
祭神の木華咲耶姫尊は、嫁入りをして一夜で懐妊し
3人の子供を次々と出産したといわれる
「わら天神」とも称され、安産祈願のときに、3cmほどのわらのお守りが授けられ、
そのわらに節があれば男の子、節がなければ女の子が生まれるといわれる
<お産場稲荷>
伏見区深草開土口町
お産場のお塚のこんもりとした台地に、神さんの使いである狐夫婦が土穴を掘って住み、
子供を宿し、産まれた子狐を慈しみ育てていたといわれる
狐神は、子供を守護するという信仰が生まれ、子宝・安産の神様として信仰されるようになった
子宝祈願は、一年間、日供のご祈祷していただける
<野宮神社>
右京区嵯峨野宮町
謡曲でも有名な縁結びの神様、子宝安産の神様として信仰を得ている
白福稲荷社(しらふくいなりしゃ)の祭神 大山咋神は、子授け祈願・安産祈願のご利益がある
野宮大黒天のそばにある神石「お亀石」を撫でながらご祈願すると、一年以内に願い事が成就するといわれている
<護王神社>
上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町
「いのしし神社」とも称され、イノシシは多産のため、子宝の福を授かるといわれる
<大豊神社>
左京区鹿ヶ谷宮ノ前町
末社 大国社に大国主命が祀られており、
神話にちなみ石造りの狛鼠(こまねずみ)が置かれている
鼠は多産のため、子宝に恵まれるといわれる
<三嶋神社>
東山区本町
女性の安産・子宝・夫婦和合を守護神する神さんが祀られている
後白河天皇の中宮 建春門院(平滋子)が、皇子のないのを憂い、摂津三島神社に祈願され、
後の高倉天皇をご懐妊したといわれる
高倉天皇の中宮 建礼門院もご祈願され安徳天皇を授かったといわれる
秋篠宮皇嗣殿下も2度参拝され、悠仁親王を授かっている
うなぎを描いた絵馬を奉納すると安産・子授けにご利益があるといわれる
<由岐神社>
左京区鞍馬本町
本殿脇の石造の狛犬(こまいぬ)
子供を抱いている珍しいもので、子授け・子孫繁栄・安産の神様として信仰されている
<山王神社>
右京区山ノ内宮脇町
右側に男岩、左側に女岩が置かれている陰陽石
「夫婦岩(めおといわ)」と称され、夫婦和合・子授け祈願・安産祈願などで信仰されている聖石
両方の石を撫でて、子育てを祈願しながら周囲を3回まわると子供が授かるといわれる
子供が生まれると、子供の名前を書いた石を女岩の中央におき、子孫の繁栄を祈願される
<北野天満宮>
上京区御前今小路上馬喰町
摂社 白太夫社(しらだゆうしゃ)には、祭神 渡会春彦(わたらいはるひこ)が祀られており、
子授けの神さんとして信仰されている
渡会春彦は、伊勢神宮の宮司で、菅原是善に世継ぎの誕生を託されて、豊受大神宮(外宮)に祈願され、
菅原道真が生まれてからは、守役(もりやく)として菅原道真に仕え、忠誠を尽くした
渡会春彦は、若い頃から白髪で、「白太夫」と称された
<文子天満宮>
下京区間之町通花屋町下ル天神町
末社 白太夫社(しらたゆうしゃ)には、祭神 渡会春彦(わたらいはるひこ)が祀られており、
子授けの神さんとして信仰されている
<地主神社>
東山区清水
縁むすびの神さん 大国主命と、父母神・祖父祖母神の三代続きの神さんが祀られており、
子授け・安産の信仰も得ている
撫で大国さんに、願いをこめて、その部分を撫でると利益をいただけるといわれ、
おなかを撫でて、安産祈願・子授けが祈願される
<貴船神社>
左京区鞍馬貴船町
縁結びの神さんが祀られており、男女間・人と人・養子縁組・子授けなどあらゆる縁結びに
ご利益があるといわれる
<市比賣神社>
下京区市姫通下寺町東入ル
5人の女神を祀る女人守護の神社
女性厄除け・子授け・安産にご利益があるといわれている
<水分神社>
綾部市弥仙山
子授けの神さんである三十八社大明神が祀られている
子供を38人も産まれ、食物は何とか食べていけたが、衣服には苦労されたといわれ
子供の衣服を奉納すると、その子を守護してもらえ、
奉納してある小さな衣服を借りて身に付けていると子供を授かるといわれる
無事に子供を授かったら、借りていた服と、お礼の服を1枚添えて、お礼の参拝する風習がある
<恋志谷神社>
相楽郡南山城村
後醍醐天皇皇后が祀られており、恋愛成就・子授け・婦人病にご利益があるといわれる
<上徳寺・世継地蔵>
下京区富小路通五条下ル本塩竃町
1657年(皇紀2317)明暦3年
上徳寺の信者であった八幡の清水氏が子供を亡くし、世継の子に恵まれるよう祈願しお堂にこもり、
7日目の夜、等身大の地蔵菩薩が現れて「我を石に刻み祈願しなさい」と告げられる
清水氏は、その地蔵菩薩を石に刻んで祈願すると、世継ぎの子を授かった故事に由来し、
「世継地蔵」と称されるようになったといわれる
1852年(皇紀2512)嘉永5年
孝明天皇の中山慶子内親王は、世継地蔵を篤く信仰し、明治天皇を出産したといわれる
<東向観音寺・白衣観世音菩薩>
上京区今小路通御前通西入上ル観音寺門前町
1655年(皇紀2315)明暦元年
中国 大明国の陳元贇禅師より寄進された白衣観音堂の本尊
子供を抱かれている大変珍しい観音菩薩で、世継子授や安産の信仰を集めている
子授け祈願では世継ぎ人形を授けられ、御礼参りに人形を納める風習がある
<落西地蔵堂・子宝地蔵菩薩>
伏見区醍醐西大路町
子宝地蔵菩薩が祀られている
<安国寺・子安延命地蔵>
綾部市安国寺町寺ノ段1
子安延命地蔵尊が祀られている
足利尊氏の母親 上杉清子が、足利氏の男児相授を祈願し、7日目の満願の夜、星を呑む夢を見て懐妊したといわれる
<護浄院・准胝観音菩薩>
上京区荒神口通寺町通東入荒神町
観音堂に安置されている准胝観音菩薩
「仏母准胝尊」の扁額が掲げられており、あらゆる仏さまの母といわれている
多くの仏を生み出す母であり、あらゆる人々の悩みに答えて救って下さるといわれる
子授けの観音さまとして、清浄と母性の象徴、母の願いを叶えて下さるといわれる
<法界寺・薬師如来立像>
伏見区日野西大道町
胎内には、日野家に代々伝わる伝教大師 最澄自作といわれる三寸の薬師像が納入されている
胎内仏ということで、安産祈願・子授け祈願などのご利益があり、祈願すると女性のお乳の出がよくなるといわれ、
「乳薬師」と称されて信仰されている
<因幡薬師堂 平等寺・大聖歓喜天(聖天)>
下京区不明門通松原上ル因幡堂町
金運招福・商売繁盛・学力増進・子授け祈願のご利益がある
<観智院・愛染明王像>
南区八条通大宮西入九条町
愛欲貧染を、そのまま浄菩提心にまで昇華させる煩悩即菩薩の本尊
縁結び、開運、子宝の本尊として信仰を得ている
<善願寺・腹帯地蔵>
伏見区醍醐南里町
京都市内最大級の像高268.2cmの丈六像
1156年(皇紀1816)保元元年頃
平重衡(平清盛の五男)の安産を祈願して七条仏所の仏師 定朝により作られたといわれる
腹部に腰紐で結んだ下衣が見え、腹帯に似ているところから「腹帯地蔵さん」と称される
<宝積寺・閻魔王坐像>
乙訓郡大山崎町大山崎銭原
閻魔王は、冥界において死者の生前の善悪業を裁き、地蔵菩薩の化身といわれ、人間を救ってくれる
無病息災、延命長寿、子宝にもご利益がある
<大報恩寺 千本釈迦堂・おかめ像>
上京区今出川通七本松上ル溝前町
子授けにもご利益があるといわれる
<粟嶋堂 宗徳寺>
下京区岩上通塩小路上ル三軒替地町
「あわしまさん」と称されて、女性の願いごとを聞いてくださるお寺として信仰されている
子授けのご祈祷・安産祈願などがされる
<お節料理>
お節料理の食材には、いろいろな願いを込めて作られている
里芋は子芋がたくさん付くことから子宝を願う
八ツ頭は、小芋がたくさんつくことから、子宝祈願・子孫繁栄を願う