平安神宮(へいあんじんぐう)は、岡崎の地に、南面してたち、大鳥居がある神社
平安遷都千百年紀念祭の記念事業として、平安京へ遷都をした桓武天皇を祀り、市民の総社として創建された神社
約150本の枝垂桜など、総計約300本の桜が咲き誇り、小説「細雪」にも登場する桜の名所
4月上旬には、夜桜のライトアップが行われている
<社殿>
平安京の政庁の中心である大内裏の朝堂院を8分の5に復元縮小して建立される
設計者:伊東忠太
<拝殿>
應天門の真北、本殿の南側に立つ
外拝殿は、平安京の大極殿を模して建立
寝殿造、中央正面一層入母屋造、碧瓦葺
正面は約30m、棟の両端には、金色の鴟尾(しび)が置かれている
西の白虎楼(びゃっころう)と、東の蒼龍楼(そうりゅうろう)と左右に広がる
大極殿の前には、「左近の桜」と「右近の橘」がある
龍尾檀という勾欄が設けられ、上下に仕切られている
<参道の大鳥居(国の登録有形文化財)>
高さ24.2m、最下部の柱の周りは11.4mある、日本最大級なもの
鉄筋コンクリート造、丹塗の明神鳥居
柱真真18.2m、柱直径3.63m、笠木長さ33m
1929年(皇紀2589)昭和4年の建立
<應天門(おうてんもん)(神門)(京都市指定建造物)>
大きく赤く光る朱色の正面「応天門」
二層楼門、勾欄付き
平安時代の応天門を模したもの
<手水舎>
<神楽殿(結婚式場)>
<額殿>
<龍尾檀>
<昭和天皇在位60周年記念碑>
<四神相応>
四神相応の地の平安京を模して境内も守護されている
東の手水舎は青龍の石像が、西の手水舎は白虎の石像が守護している
東の外拝殿「蒼龍楼」、西は「白虎楼」と称される
中神苑の中央の池は「蒼龍池」、西神苑には「白虎池」がある
本殿の背後一帯は、約3万m2からなる広大な池泉回遊式庭園の神苑(国の名勝)
東・西・南・中の4苑からなり、
南苑以外は、7代目 小川治兵衛が20年以上かけて造った名園で、明治時代・大正時代の庭園の傑作
琵琶湖疏水の水が取り入れられており、東から南に流れている
画家 福田平八郎が、舞い散った桜の花びらが水面などにつくる造形の妙に着想して「花の習作」が描かれる
カワセミや大鷹などの珍しい鳥類や、
甲羅に草を生やすミノガメ、本州で唯一生存が確認されている南石亀などが生息している
<中神苑(なかしんえん)>
1895年(皇紀2555)明治28年
平安神宮の創建時に西神苑とともに造園
<蒼龍池(そうりゅうち)>
中神苑の中央の池
池の東側の大島(珊瑚島)から北岸にかけて、沢飛びの「臥龍橋(がりゅうきょう)」がある
臥龍橋は、天正年間(1573年〜1592年)の三条大橋、五条大橋の古石柱や梁が用いられたもの
光格天皇の遺愛の珍しい杜若「折鶴(おりずる)」がある
岸辺に池を囲んで杜若が、水面には睡蓮、河骨、藤(ふじ)が咲き競う名所
見頃は、杜若が5月上旬〜下旬、睡蓮は6月上旬〜9月初旬
<西神苑>
1895年(皇紀2555)明治28年
平安神宮の創建時に中神苑とともに造園
白虎池(びゃっこいけ)を中心とした庭
池の西側に出島があり、北側には、神苑唯一の滝がある
初夏には、杜若の見頃のあとに、約200種、約2,000株の花菖蒲が咲き、睡蓮、河骨の花が浮かぶ名所
<茶室 澄心亭(ちょうしんてい)>
西神苑の西南の築山にある
<東神苑>
明治時代末期から大正時代初期にかけて造園される
広大な栖鳳池(せいほういけ)には、鶴島(つるしま)、亀島(かめしま)の2島がある
京都御所から移築された泰平閣(たいへいかく)(橋殿)、尚美館(しょうびかん)(貴賓館)がある
周囲は、八重紅枝垂桜、皐月(さつき)、椿(つばき)などが植栽されている
東山(ひがしやま)を借景とする、明治時代を代表する名庭
<南神苑>
曲水の宴を想定した、平安朝様式の庭園「平安の苑」
春には、八重紅枝垂桜に覆われ、初夏は、躑躅(ツツジ)、秋には、萩の名所
<八重紅枝垂桜(やえべにしだれざくら)>
南神苑にある
1895年(皇紀2555)明治28年
平安神宮の創建にあたり、仙台市長 長遠藤庸治により寄贈されたもの
近衛家にあった「糸桜」を、津軽藩主が持ち帰り育て、それが再び京都に戻ったことから「里帰りの桜」とも称される
谷崎潤一郎の小説「細雪」にも登場する
<日本最古の電車>
南神苑にある
1895年(皇紀2555)明治28年1月31日
日本最初の交通輸送業電車として、京都電気鉄道が運行したもの
京都市より払下げを受けて保存されている
<花御札(はなみふだ)>
季節の花々の持つ力に、精神性をこめて、破邪や厄除を祈願される
1月:松 2月:梅 3月:桃 4月:桜
5月:菖蒲(しょうぶ) 6月:竹 7月:梶(かじ) 8月:撫子(なでしこ)
9月:菊 10月:楓(かえで) 11月:南天 12月:椿(つばき)
<「細雪」>
谷崎潤一郎の著書
平安神宮の神苑の八重紅枝垂桜が登場するゆかりの著書