日本酒(にほんしゅ)(Japanese Sake) 京都通メンバ
日本酒(にほんしゅ)は、日本国内において、日本産のお米・米麹・水を主な原料として発酵させてこした清酒

清酒(せいしゅ)は、海外産も含め、原料の産地、醸造地は問われないお米・米麹・水を主な原料として発酵させてこした醸造酒

アルコール度数は22度未満で、一般的には15~16%

日本酒の生産量は、京都府が過去10年以上不動の全国第2位(1位は兵庫県)
特に、名水が豊かな伏見が名産地とされる

「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産されている

京都市の伝統産業の一つ

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【日本酒の歴史・経緯】



【日本酒の種類】

 <清酒>
 海外産も含め、原料の産地、醸造地は問われない
  米・米麹・水を原料として発酵させて、こしたもの
  米・水に、清酒粕・米麹・醸造アルコールなど定められた原料を加えて発酵させて、こしたもの
  清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

 <日本酒>
 日本国内産の原料のみで、日本国内において醸造された清酒


 酒税法による特定名称酒の分類
 大きく純米酒・吟醸酒・本醸造酒の3種類に分けられ、原料や製造方法などの違いによって8種類に分類される

 <純米酒>
 米・米麹・水のみを原料とし、醸造アルコールなどを添加しない
 お米本来の旨味や甘味、コクを強く感じられる

 純米酒:精米歩合の要件がない
 特別純米酒:精米歩合60%以下、または特別な製造方法で造られる


 <吟醸酒>
 低温でゆっくりと発酵させる「吟醸造」によるもの
 フレッシュ・華やか・フルーティーなどの香味がある

 吟醸酒   :精米歩合60%以下・若干の醸造アルコールを添加
 大吟醸酒  :精米歩合50%以下・若干の醸造アルコールを添加
 純米吟醸酒 :精米歩合60%以下・醸造アルコールの添加なし
 純米大吟醸酒:精米歩合50%以下・醸造アルコールの添加なし


 <本醸造酒>
 米・米麹・水に、醸造アルコールが添加されたもの
 キリッと引き締まった味わいになる

 本醸造酒  :精米歩合70%以下
 特別本醸造酒:精米歩合60%以下


 精米歩合:
 お米をどれだけ削り、使用する部分が何%残っているかを示す値
 お米の中心まで削っていくほど、香りがよく、雑味の少ない清酒になる

 醸造アルコール:
 でんぷんや糖類を原料とするアルコール
 香味の劣化を抑え、辛口であと味をすっきり整えられる


 その他 参考
 もろみ:米・米麹・水など原料として発酵させたもの

 清酒:もろみをこして、酒粕を取り除いたもの

 どぶろく:もろみをこさないで残されたもの


 一般的には、もろみをこした後、火入れが行われ、一定期間貯蔵した後、瓶に詰める前にもう一度、火入れが行われる

 生酒(本生):全く火入れをせずに詰められたもの
 生貯蔵酒  :火入れをしないまま貯蔵し、瓶詰めのとき、1回火入れしたもの
 生詰め酒  :火入れしてから貯蔵し、瓶詰めのときには火入れをしていない、1回火入れしたもの


 一般的には、火入れの後、すぐに貯蔵タンクに詰められ、数ヶ月から1年間ほど貯蔵される
 貯蔵されることで、新酒のもつフレッシュさが落ち着いてお酒の旨味が引き出され、まろやかで味わい深いお酒に変わっていく

 古酒・熟成酒:1年以上貯蔵・熟成させ、より重厚な味わいや香りなる

【お酒の神さん】

 <大山祇神
 初めてお酒を作って神々に献じた酒造の祖神
 酒解神(さかとけのかみ)と称される

 美しい娘の木花咲耶姫命が、天孫の邇邇芸命に選ばれ3人の子を出産したことで、
大喜びして、卜占によって選んだ稲田から収穫した神聖なお米でお酒を造り、神々に振舞ったといわれる

 <木花咲耶姫命
 大山祇神の娘
 酒解子神(さかとけごのかみ)と称される、お酒の神さんとされる

 <大物主神
 酒造りの神さんとされる
 大物主神を厚く信仰していた崇神天皇は、神さんに供える御神酒(おみき)を造るために、
高橋村の活日(いくひ)(酒造の杜氏の祖先)を掌酒(さかひと)(お酒の醸造を司る役)に任命する
 活日は、一夜にして、最高に美味しいお酒を醸して、大物主神へ供えられ祭事が行われる
 活日は、御神酒を天皇に捧げて歌を詠んだ
 「この神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久 幾久」
(この御神酒は、私が造った御神酒ではなく、倭の国を造られた大物主神が醸されたお酒です。幾世までも久しく栄えるでしょう)

【京都の日本酒】

 <産地>
 伏見・山城・洛中・京丹波・京丹後・宮津・福知山など


 <清酒(日本酒)の生産量>
 全国2位(2022年(皇紀2682)令和4年)
  兵庫県:91,802kl
  京都府:52,047kl
  新潟県:30,086kl
 10年以上、上位3府県の順位は不動となっており、日本三大酒処とされる


 酒蔵数は42蔵で、全国7位
 桃山時代江戸時代から庇護され伝統が守られてきている名蔵が、生産量を支えている


 <京都の名水
 三方を山に囲まれた京都盆地の地下には、山の岩盤を伝って地中に潜り込んだ良質の水の水瓶がある
 京都の地下には、琵琶湖の2/3に相当する地下水があるといわれる

 特に、伏見には「伏見七井」と称される伏見の名水が豊富にあり、伏見の銘酒が多い

 <京都市清酒の普及の促進に関する条例
 京都市により制定・施行されており、イベントなどでの乾杯は日本酒ですることを奨励している


【お酒ゆかりの地】

 <松尾大社
 祭神:大山咋神市杵嶋姫命
 酒造りの技術に優れ、技能者が多くいた秦氏の総氏神として創建されたことから「日本第一醸造祖神」として信仰される

 境内に霊泉が湧き出て、松尾の神より「この霊泉を飲めば諸病を癒し、寿命を延ばす。この水で酒を醸造して祀れば、寿福増長・家門繁栄すべし」と託宣があったといわれる
 霊泉の「亀の井」の水を醸造の時に混ぜると、お酒が腐らないといわれる

 「お酒の資料館」があり
 お酒ができるまでの行程の解説や、古くから伝わる酒造道具・酒器・お酒に関する展示が行われている


 <梅宮大社
 酒解神(大山祇神)・酒解子神(木花咲耶姫命)らが主祭神として祀られている
 日本最古の醸造の祖神といわれる


 <御香宮神社
 境内より、お酒造りにも適した御香水が湧き出しており、名酒とされる伏見のお酒を造り出している


 <伏見南浜界わい景観整備地区
 伝統的な伏見酒蔵の町並みの景観が保護されている

 <月桂冠大倉記念館
 白壁土蔵づくりの酒蔵が軒を並べる濠川沿いの一角にある
 伏見の酒造りと日本酒の歴史、酒造りの道具やプラントなどが紹介されている

 <キザクラ・カッパカントリー
 酒造業者 黄桜が運営するテーマパーク
 麦酒工房や清酒工房、黄桜記念館、地ビールレストランなどが設けられている

 <十石舟
 伏見城の外濠だった濠川や合流する宇治川の支流などの運河を巡る観光船
 運河に沿って建ち並ぶ酒蔵群を望める

 <伏見の名水
 「伏見七井」と称される名水の井戸がある


【京の酒蔵元】

 京都府酒造組合連合会における京都の酒蔵元と代表銘柄

 <伏見(伏見酒造組合)>
 ⻩桜株式会社:⻩桜
 株式会社北川本家:富翁
 共同酒造株式会社:美⼭
 株式会社京姫酒造:京姫
 キンシ正宗株式会社:⾦鵄正宗
 ⽉桂冠株式会社:⽉桂冠
 株式会社⼩⼭本家酒造:世界鷹
 齊藤酒造株式会社:英勲
 招德酒造株式会社:招德
 宝酒造株式会社:松⽵梅
 ⽟乃光酒造株式会社:⽟乃光
 株式会社豊澤本店:豊祝
 東⼭酒造有限会社:坤滴
 藤岡酒造株式会社:蒼空
 平和酒造合資会社:慶⻑
 株式会社増⽥德兵衞商店:⽉の桂
 松本酒造株式会社:桃の滴
 松⼭酒造株式会社:十石
 都鶴酒造株式会社:都鶴
 株式会社⼭本本家:神聖
 伏⾒銘酒協同組合:伏見銘酒
 城陽酒造株式会社:城陽

 <洛中周辺(京都酒造組合)>
 佐々木酒造株式会社:聚楽第・古都
 松井酒造株式会社:神蔵
 羽田酒造有限会社:初日の出

 <京丹波(京都丹波酒造組合)>
 有限会社長老:長老
 関酒造:この花桜
 大石酒造株式会社:翁鶴

 <京丹後(峰山酒造組合)>
 白杉酒造株式会社:白木久
 吉岡酒造場:吉野山
 竹野酒造有限会社:弥栄鶴
 木下酒造有限会社:玉川
 熊野酒造有限会社:久美の浦・吟客

 <宮津(宮津酒造組合)>
 谷口酒造株式会社:芝の井
 向井酒造株式会社:京の春
 与謝娘酒造合名会社:与謝娘
 ハクレイ酒造株式会社:白嶺・酒呑童子
 池田酒造株式会社:池雲

 <福知山(福知山酒造組合)>
 東和酒造有限会社:福知三萬二千石
 若宮酒造株式会社:綾小町

【その他】

 <杉玉>
 日本酒の造り酒屋では、軒先に杉玉が吊るされる
 酒造りの神さんである大物主神の神力が、古来、杉の木に宿るとされていたためといわれる


【京都検定 第1回3級】

12.平安遷都以降、賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)と共に王城鎮護の神さんとなり、またお酒の神さんとして信仰を集めている神社はどこか?

【京都検定 第2回3級】

【京都検定 第12回3級】

【京都検定 第13回3級】

【京都検定 第16回3級】

【京都検定 第17回3級】

【京都検定 第20回3級】

【京都検定 第8回2級】

【京都検定 第10回2級】

【京都検定 第11回2級】


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