貴族に親しまれてきた地名のほか、崇敬される神社仏閣のゆかりの地や、歴史的な事件のあった場所などがある
物語や古歌に詠まれた空想の地名も、イメージが定着して歌枕として使われるようになったものもある
京都の代表的な歌枕
化野・嵐山・大堰川・鳥部山・深草・小倉山など
<県井戸(あがたのゐど)> 京都御苑の西北部、宮内庁京都事務所の裏側
<朝日山(あさひやま)> 宇治橋の東にある山
<愛宕山(あたごやま)> 嵯峨野の西北の山
<化野(あだしの)> 嵯峨 小倉山の東北麓で、古くからの埋葬地
<嵐山(あらしやま)> 桂川沿岸の桜・紅葉の名所
<有栖川(ありすがは)> 船岡山の東から堀川に注ぎ込む川
<稲荷山(いなりやま)> 伏見稲荷大社の山
<入野(いるの)> 西京区大原野あたり
<石清水(いはしみづ)> 石清水八幡宮の山
<石田の小野(いはたのおの)>伏見区石田から日野あたり
<宇治川(うぢがは)> 宇治を流れる川
<宇治橋(うぢばし)> 宇治川にかかる橋
<瓜生山(うりふやま)> 左京区北白川の東北
<大堰川(おほゐがは)> 桂川の嵐山の麓あたり
<大内山(おほうちやま)> 仁和寺の北の山
<大江山(おほえやま)> 山城国と丹波国との境
<大沢池(おほさはのいけ)>大覚寺の庭園池
<大原(おほはら)> 比叡山の西北麓
<大原野(おほはらの)> 西京区、小塩山の麓
<小倉山(をぐらやま)> 嵐山北西の山で紅葉の名所
<小塩山(をしほやま)> 大原野神社の西の山
<音羽山(おとはやま)> 京都市と大津市の市境
<小野(をの)> 高野・修学院から八瀬・大原の地域
<笠置山>弥勒信仰の霊場
<桂川(かつらがは)> 鴨川・宇治川と合流して淀川に注ぐ川
<賀茂(かも)> 上賀茂神社・下鴨神社のあたり
<賀茂川(かもがは)> 鴨川の上流の別称
<祇園(ぎおん)> 東山区の八坂神社の門前
<北野(きたの)> 北野天満宮のあたり
<衣笠(きぬがさ)> 衣笠山山麓一帯
<貴船(きふね)> 貴船川沿いのあたり
<清滝(きよたき)> 右京区嵯峨清滝あたり
<清水(きよみづ)> 清水寺のあたり
<久世(くせ)> 南区
<鞍馬(くらま)> 鞍馬川沿いのあたり
<鞍馬山(くらまやま)>霊山
<暗部山(くらぶやま)>鞍馬山のことともいわれる
<栗栖野(くるすの)> 北区、山科区あたり
<木幡(こはた)> 宇治市
<衣手の森(ころもでのもり)>衣手神社のあたり
<嵯峨(さが)> 桂川の東沿岸あたり
<白川(しらかは)> 左京区の街中を流れる川
<芹川(せりかは)> 小倉山山麓から大堰川に注ぐ川
<糺の森(ただすのもり)> 下鴨神社の森
<常盤山(ときはやま)> 太秦の北の丘陵地
<鳥羽(とば)> かつての狩場
<鳥部山(とりべやま)> 鳥辺野の山(阿弥陀ヶ峰)で火葬の地
<中川(なかがは)> 今出川
<双ヶ岡(ならびがをか)> 妙心寺の西の丘
<鳴滝(なるたき)> 了徳寺のあたり
<氷室山(ひむろやま)> 氷室があった山
<櫃川(ひつかわ)> 山科川
<平野(ひらの)> 平野神社のあたり
<広沢池(ひろさわのいけ)>右京区北嵯峨にある池で月見の名所
<深草(ふかくさ)> 平安京の南郊の地
<伏見(ふしみ)> 伏見稲荷大社・御香宮神社のあたりで名水の地
<船岡(ふなをか)> 北区紫野にある丘
<松の尾山(まつのをやま)>松尾大社の背後の山
<松ヶ崎(まつがさき)> 高野川の西
<紫野(むらさきの)> 船岡山の東北一帯で、遊猟地
<山科(やましな)> 山科区
<淀(よど)> 桂川・宇治川・木津川の合流点
<能因歌枕(のういんうたまくら)>
歌枕の解説が書かれた歌学書
<歌枕名寄(うたまくらなよせ)>
歌枕の一覧が列記されている
<枕草子>
清少納言の著書
ものはづくし(歌枕など)、詩歌秀句、日常の宮廷での出来事、人々の噂などが書かれている随筆
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる」で始まる